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政治を動かした、国民の声。

2023年2月15日、初めての衆議院予算委員会のバッターとして立ったことを振り返りたいと思います。

本番5日前ほどだったでしょうか。国会対策委員の先輩方から、「行くぞ」と声をかけられました。

何に行くのかと戸惑っていましたら、予算委員会にて岸田総理との質疑に臨むことだと知り、驚きを隠せませんでした。

「国会で一番年下の人間が、何に着目しているのかを意識して、質問に立ってほしい」と声をかけていただき、少子化、年金、社会保障、復興、経済、子育て・・・夜な夜な悩みながら議論すべき内容を考えました。

先輩方との多くの議論の末、「目の前の国家課題を先送りにしない」という視点で、防衛予算と子ども予算に絞って、臨むことにいたしました。

防衛予算の倍増が具体的な数字として表れた予算案でしたが、一方、子ども予算は、倍増すると言葉だけ。待ってても待っててもいつまでも示されない、言葉にならない不安が若者や子育て世代を襲っていました。

何を基準に倍増するのか。私は、子ども予算も、防衛予算と同じ時期にセットで示すべきではないかと提言しました。

岸田総理からは、「家族関係社会支出は、2020年度の段階で、GDP比で2%を実現している。それをさらに倍増しよう」という返答をいただき、初めて政府が子ども予算倍増の基準を示したとして、各種メディアが取り上げました。

ところが、翌日、「家族関係社会支出を倍増することを示したものではない」と、松野官房長官が白紙撤回することになります。国会では、即撤回ということで大紛糾し、その後の予算委員会でも取り上げられました。

私の携帯も鳴りやまず、SNSではダイレクトメッセージが8000件(のち9000件に)を超えました。

「産んだら産んだで、じゃ、後は頑張って育てて、はひどいよ」

「第三子からって…。第三子まで考える余裕ができる社会をつくってから言えよ」

「奨学金を抱えての結婚はなかなかの壁です…」

「3人までは考えられるのですが、4人目となると考えられない。本当はもっとと思うんだけど。」

人それぞれたくさんの社会があることを知りました。

岸田総理の言葉に、一瞬だったかもしれないけど、期待した子育て世代の多さに、私は本気の社会改革をこの内閣で決着をつけるべきだと、「もっと本質につながる質疑がしたい」と第二ラウンドへ挑みます。

2月20日の予算委員会の分科会にて、自見大臣へ、岸田総理が具体的に出した金額への言質を取りにいきました。

「子ども予算の具体的な数字は出せない」と一転した返答に、子ども達のためにしっかり中身のある政策をやってもらわなければ困ると、必死に議論しました。実は、この時、事前通告で、私は質問の答弁者を政治家ではなく、参考人(行政職員)で構いませんとしていました。しかし、逆に行政職員さんから、「これは政治家に答えてほしい」と、オーダーをいただきました。政治家の方針のごたごたに、行政職員も困っていたんじゃないかなと、感じました。

悔しい思いを拭えず、活動をし続けていたところ、ようやく6月!!

「こども未来戦略方針」が策定となり、「子ども予算3.5兆円」の枠組みが政府方針で決まりました。

自分の質疑を通して政策が動いたことに、まずは感動しました。

しかし、喜びもつかの間。ここで謳われている基準、大切にしている数字が、「こども一人当たりの家族関係支出GDP比で16%」というものでした。政府は、これを説明する度に、「これをOECDトップのスウェーデンに達する画期的な水準」と強調していました。

・・・。

でも、これ・・・おかしくないでしょうか。

数式で見るとわかりやすいのですが、「子ども一人当たりの家族関係支出」GDP比を、数式に表すと以下の通りになります。式を直し、黄色の部分に着目してください。

掛け算ですから、黄色の部分の数字が大きくなれば大きくなるほど、この式の値は大きくなります。

しかし、黄色が大きくなるということは、18歳以下の人口が少なくなっているということであり、少子化が進行していることを表していませんか。

少子化を克服するものとして政府が用意した数式が、かえって少子化を悪化させるものであったということです。事実、他の国で、この数字を基準にした国は、ひとつもありません。

適切な数字をもって、政策を推進をしなければ、この国は、いつまで経っても良くなりません。

現時点ではここまでですが、この経験を次につなげなくてはなりません。

本当に成し遂げたい社会に即した目標設定や数値設定を定めることは、このデジタル社会において、あるいは、EBPMを大切にする今にとって、最も大切なことではないでしょうか。

ここでつまずけば、すべてでつまずきます。

政治の本質にたどり着くために、全力を尽くします。

転んでも、転んでも、前へ。

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