6日、1ドルが140円台から143円台と3円近く上昇。
これは世界中で起きている物価高対策として、欧米の主要中央銀行が金利を上げる一方、日本は超低金利政策を続け、静観していることが大きな要因です。鈴木財務大臣は、7日の記者会見で「(物価高が)継続すれば必要な対応をとる」と述べていますが、実のところ物価高が始まって以来、政策に変化はありません・・・
■なぜ日本は金利政策を打たないのか?
その要因はいくつかあり、
- 金利を上げると日本の景気がより悪化する懸念
- 年末にかけ世界の景気が後退し、アメリカも金利を下げる可能性があるため、今対応しなくてもいいという他人任せの予測
- 日本が抱える大量の債務残高(1000兆円超え)により金利を1%上げるとそれだけで10兆円債務が増えて耐えきれない
などが考えられます。
■物価高は抑えられている?
政府は、日本の物価は他国と比べれば抑えられているといいますが、それは政府の政策の効果ではなく、価格への転換をぎりぎりまで踏ん張っている企業努力のおかげではないでしょうか。コストが上がる中、値段を上げにくい状態では、企業はどんどん疲弊し産業がひっ迫してしまいます。
■今、何が必要なのか?
円安を食い止めるには金利政策が必要です。しかし
・金利を上げる=ローン返済が厳しくなる
・金利を維持=物価高は止まらず消費が厳しい
進むも地獄、退くも地獄のような状態です。緊急対策として二つの軸が必要だと考えます。
一つは支援。エネルギー価格の上昇分の補填に加え、苦しむ家庭や企業に対しての緊急支援です。二つ目は、力強い経済の実現。円安は言い換えれば日本の成長力が弱いという世界からの印象とも考えられます。労働生産性を上げる、企業競争力を高める、先進技術を社会で積極的に生かす、そうした本気の姿勢を国内外に示すことが肝要です。世界3位の経済規模国家であるにも関わらず労働環境/労働賃金は万年先進国最下位。デジタル競争力では28位と過去最低。この状態をなんとか変えるべく、危機感を持って挑んで参ります。
衆議院議員 馬場ゆうき
(2022.09.10)