福島の復興 今の責任【かわらばんvol.6】

東日本大震災の時、あなたは何をしていましたか?

ばばばんを手にとってくださった方は、東日本大震災の時、何をしていましたか。お家にいた方、お仕事をしていた方、学校にいた方、記憶もないほど小さかった方もいるのではないでしょうか。私は高校3年生の卒業直後のことでした。

復興を先送りにしない

私が国会議員となる決意をしたのは、「私たちの代で復興を何がなんでも実現させる」「少なくとも次の世代に難しい課題は残したくない」という一心でした。復興で大切なことは、分断を生み出さないことです。アルプス処理水の海洋放出の議論が今問題になっていますが、正直悔しいです。すでに10年前からこうなることは分かっていたのに、議論を後回しにし、ギリギリになったタイミングで怒涛の如く、決め事が進んだからです。このようなやり方で未来はあるのでしょうか。だからこそ、今後起きうる中間貯蔵施設の土も、燃料デブリも、難しい政治決断をしなくてはならない時のために、私はしっかりとした土台をつくりたいと思っています。

国会に来て驚いたこと

一番最初に驚いたのは、中間貯蔵施設の土について、国際的な検証や評価、分析が行われていないことでした。再生利用について国内研究の話は進んでいますが、土そのものに関する研究がないことが、国会質問を通してわかりました。疑問に思いませんか?

 

今の責任を果たす

除去土壌の再生利用は世界で初めての試みです。一つひとつ、丁寧に、堂々と進めていくことが何よりも重要です。風評とは目に見えず、人それぞれの感じ方に左右されるため、扱いが難しく、国境に関わらず信頼関係が不可欠です。だからこそ、世界各国の研究者に来てもらい、国際的知見に基づいて検証し、その状態や再生利用の懸念点など、各国の言葉で隠さずまとめてもらうことが、日本の責任ではないでしょうか。

この半年、計5回、本件の質問を環境大臣にしましたが、ノー回答。むしろ「なぜあなたは国内の研究を信じないのですか?」と言われる始末…そんなことは問題にしていません。

皆さまはいかがお考えですか。5回もやって、連続ノー回答だと自分が間違っているのかと迷います。ですが、私は、福島のために、風評被害対策と向き合いたい。将来、分断を生み出さないために、今できることに真正面から挑みたい。

皆さまも感じていただけるなら、私も頑張れます。なにがなんでも私たちの代で責任を果たす覚悟をもって、感謝の気持ちを大切に、これからも挑み続けます。

衆議院議員

馬場ゆうき

2020年5月22日