【ばばばんVol.58】外交・韓国

外交 韓国

党の日韓議員連盟視察団として、3日間ソウルへ伺いました。2022年に尹(ユン)大統領の就任以来、急速に日韓関係は回復しています。5年前に「NO JAPAN」ボイコットジャパン運動が起きた国と同じとは思えない空気感です。

 しかし、韓国に着いて気になったのは、日本車が本当に走っていないことです。3日間合わせて、日本車のエンブレムを見たことはなく、レクサスをかろうじて6台程、見たにすぎません。有識者と話をしても、韓国の経済大国化からの自信なのか、幾分余裕をもって日本を見ている一方、若者たちはボイコットジャパン疲れもあり、「普通に日本に行きたいし、日本のものも使いたい」と、政治的な「反日」行為が韓国内で人気を得ていないことも感じました。

 そのことを踏まえ、日本は国益をかけ、日韓関係の構築を確かなものにしなくてはなりません。3つの点で整理します。

①韓国内における尹大統領の評価

 日本との関係が回復する一方、韓国内での尹政権の支持率は20%台と低いです(岸田政権よりは高い)。尹政権の業績の代表例こそが日韓関係の回復ですが、その効果をまだ国民一人ひとりが肌で感じ取れているわけではありません。

 来年、日韓国交正常化60年を迎えるにあたり、目に見える成果が求められています。具体的には、出入国の簡素化やSuicaなど電子マネーの互換性を両国で整えること等はいかがでしょうか。

 5年前のボイコットの記憶もまだ新しく、リスクもあるからこそ、多角的に日韓のつながりを深くすることが、政治的な「反日」に戻らないためにも重要です。

②北朝鮮への評価

 韓国は北朝鮮について、ロシアと同盟を結んだことに脅威を覚えながらも、北朝鮮がかなり経済的にも厳しい状況に変わりなく、行き詰まった先に融和策も考えるのではないかという見方もありました。

 また、中国はこの間の北朝鮮がロシアを向いていることを面白く思っているはずがなく、日韓がより実践的な連携を見せれば、中国も対応を迫られ、日中韓で現実的な協力体制を築く道が拓けるのではないでしょうか。

③福島の処理水等への対応

 当選以降、風評被害払拭等、福島の復興実現のため議員外交に努めてきました。福島について議員間の理解醸成には手応えを感じる一方、政党単位になると難しく、今後は政党間の交流を活発にする必要があり、責任を持って復興を前に進めるために全力を尽くします。

2024.7.28 衆議院議員 馬場雄基