【ばばばんVol.39】円安構造に挑む

円安構造に挑む

 103円から150円

 1ドルの価値は、わずか2021年から2年間でここまで変わりました。・・・。物価高になるわけです。

 いまや円は、アジア最弱の通貨と評されることもある程です。産業構造が変化し、外貨を獲得できる力のある日本産業が消えつつある中、最後の砦とも呼ばれる自動車産業もEV/水素などの変化にどれだけ対応できるかが問われています。

 輸入に頼る経済状況になった今の日本では、燃料も資材も原材料も海外の動きに左右され、私たちのくらしに直撃しています。物価高は進むのに、賃金は低いまま。日本人が世界に出稼ぎに行く割合が増すなど、悪循環を起こしています。

 なんとかしてほしい・・・という声とは裏腹に、鈴木財務大臣はいつもと同じく「急激な動きは好ましくない」という感想を言うに留まっています。

 それもそのはず。進むも苦しく、引くも苦しいのです。円安が起きる原因の一つに、日米の金利差があります。現在、すでに4%ほどの差がありますが、これを縮めるということは日本の金利をあげることになります。利上げは、中小企業の体力を鑑みても困難です。

げは、中小企業の体力を鑑みても困難です。

 それ以上に国債残高1000兆円超の日本では、金利を1%上げれば利息だけで年間10兆円増という、純粋に政策を打ち切れない特殊事情を抱えています。

 円安すべてを悪く言うつもりはありませんが、急激な変化に加え、円の価値、つまりは外貨を獲得し得るほどの産業が乏しいことに危機感を覚えます。この状況を打破するためには私は3つの視点が必要だと考えます。

①くらしを直撃する電気・ガソリンへの価格支援

 価格転嫁がおきなかったガソリン補助金ではなく、1ℓあたり25.1円引き下げるトリガー条項(ガソリン減税)の発動させ、くらしを支える。

②基軸産業の育成と外交戦略

 全てに手を出せない以上、各地域で育成産業を選定し、それぞれ社会展開を高めるための規制緩和と、世界競争におけるコア技術を確保するための外交戦略を、政官民学の総力を結集して行う。

③中小企業支援策と内需拡大

 単に経営支援を行うのではなく、大企業の本社機能の地域移転や、地域企業と取り引きすることでの優遇税制措置など、内需拡大策を構造的に動かす。

 これらの政策が機能した上で初めて、正常な金融政策の議論ができます。未来を切り拓くために、今が正念場です。ごまかすことなく正々堂々と挑みます。

2023.10.8

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