【ばばばんVol.57】激闘 PFAS

激闘 PFAS

愛知・青森・岡山・沖縄・静岡・東京などで基準値を超えるPFASが検出されています。党の環境部会事務局長として東京都立川市へ、衆議院環境委員会理事として岡山県吉備中央町へ、視察に伺いました。

◆永遠に残る化学物質

 PFASとは、4730種を超える有機フッ素化合物の総称です。自然界で分解しにくく水などに蓄積する他、人への毒性も指摘されており、国際条約で廃絶や使用制限をしています。

 日本では21年に原則製造と輸入を中止しましたが、水や油をはじき耐熱にも優れた特性から、これまで消火剤やフライパン、スキー板のコーティング剤などに多く使われていました。

◆場所によって全く異なる現状

 今回視察に伺った立川市は、横田基地からの漏洩の可能性があり、住居密集地帯の地下水をくみ取る水道に影響がでており、近くでは農業を営んでいる方もいます。吉備中央町では山の奥に置かれた産業廃棄物からの漏洩とされ、人への被害という意味では特定されたエリアになります。

 今後、どのように対応を取るべきか整理します。

①安全な水の確保

 まずは都市でも地方でも、PFASが基準値を超えたならば、安全な水の確保に向けた整備をしなければならず、そのためのタンクも速やかに設置すべきです。

②健康影響(血液検査の評価とストレスの軽減)

 世界保健機関(WHO)の専門組織である国際がん

研究機関(IARC)は、2023年12月の発表で、PFOA(PFASの一種)の発がん性を「可能性がある」から

2段階引き上げ「ある」としました。一方、血液検査をすることで、問題のPFOAやPFOS(PFASの一種)の濃度を測定できますが、この結果と健康状態の関連は不明です。血中濃度の医療的低減策も、まだ確立されていないため、血中濃度を知ることでかえって不安が増す可能性も否めません。それでも検査をすることでストレスを軽減できる場合もあり、バランスを取るべきです。

 その他にも、

③2次被害を出さない

 地下水を使って栽培している農家などへの対応

④原因の特定と責任者の明確化

⑤風評被害対策

⑥土壌汚染された土地の再生

⑦行政の水質管理方法の徹底(国の指針が変更した際のチェック方法の厳密化)など、やるべきことは山積みです。市町村・都道府県・国、それぞれの責任を明確にし、解決に向けて動いてまいります。

2024.7.14 衆議院議員 馬場雄基