【ばばばんVol.55】最終盤…通常国会

最終盤…通常国会

今年の通常国会の本丸は、まちがいなく「政治改革」です。しかし、実に消化不良な最終盤を迎えています。

◆政治改革特別委員会のごてごて

 立ち上げから遅きに失したという他ありません。

 私が平成生まれ初めてとして衆院本会議場へ登壇し、裏金問題を問うたのが2月13日。あの時既に国民の危機感は頂点に達していたはずです。

 ことが動いたのは4月の衆議院補欠選挙。私たちが全勝したことで、野党が衆院政治倫理審査会(政倫審)に審査を申し立てることができるようになりました。議席が増えたことで、委員席を「1」つ追加頂き、申し立てに必要な1/3の確保ができたのです。

 たまらず自民党が改正案を提出したのは5月17日。しかし、話にもならず、与党公明党でさえ一蹴した状態。私たちは、国民民主党と有志の会とともに、連座制の強化・政策活動費の禁止を明記して、20日に改正案を共同で提出しました。

 その間、自民党は29日も修正案を出しますが、公明党の賛同が得られません。すると、31日、突然岸田総理は維新へ急接近。公明・維新と党首会談を実施。それぞれの主張を受け入れる体制を整え、維新とは合意文書まで交わしました。

6月3日、自民党の修正案が整います。しかし、問題が次々と発覚。改革項目はたくさん羅列するものの、全ては「検討」。法律の本則ではなく、附則に「検討」と書くのみ。維新も細部の詰めが甘く、10年後の領収書の公開は50万円超の支出に限っていました(ここは維新が猛反発し、翌日再修正)。それでも、領収書は用途や場所を黒塗りして構わないという案です。

◆保存3年、時効5年、公開10年(黒塗り有)

 6月6日、自民・公明・維新の賛成多数で衆議院を通過し、参議院でも大詰めを迎えます。

 未来のために今の責任を問うのは当たり前です。しかし、今をスルーして、未来に、今の権力者がいないかもしれないけど、黒塗られたものを確認して何か国がよくなるでしょうか。時の権力者が黒と言えば黒、白と言えば白となり、黒も白と言えば白となる。世間の常識と国会の常識を合わせなくてはなりません。

 思い返せば、30年前の「平成の政治改革」の決着は、当時の細川総理と河野洋平自民総裁の党首会談でした。与党と野党第1党が丁寧に協議を重ね、一致点を見い出すところに、本来の政治の醍醐味があったはずです。キャッチ-なことではなく、政治に深みを生み出せる政治家を私は目指したい。覚悟を胸に、国会最終盤に臨みます。

2024.6.16 衆議院議員 馬場雄基