円が遊ばれるだけでは強くならない
日本経済を前へ
経済の好循環に必要な策は、各分野の産業の地盤を整え、①安心して給料があがる、②安心して消費できる環境をつくりつづけることです。
一方、最近出た経済指標をまとめます。
☑7-9月 GDP改定値 2.9%減 ※年換算
☑10月 消費支出 2.5%減
☑11月 倒産件数 38%増
目の前の物価高に加えて厳しい家計や経済状況が読み取れます。と思えば、足元の円は乱高下。全く落ち着きません。
◆「超円安」転機 一時141円
10年前は1ドル70円台だった円が、今年の10月に150円を記録するなど、「超円安」トレンドでした。これは、あがり続ける物価に対応するため、アメリカやヨーロッパでは金利をあげましたが、日本はゼロ金利を変えませんでした。金利差が益々広がり、円売りが止まらなかったのです。
しかし、12月7日、1ドル141円と、今度は急激に円高へ。
日銀の植田総裁が、ゼロ金利政策の見直しを匂わせたことで、世界の機関投資家たちが「いよいよ日本の利上げ相場が来るかもしれない!」…つまり「儲ける」ために一斉に動き出したのです。
本来、貨幣(円)の価値は国力を示し、経済的安定性や政治的安定性によって左右されるものです。しかし、今の日本は世界のマーケットから、単純に「儲けられるかどうか」で判断されており、機関投資家たちによって、円が乱高下し、私たちの暮らしや産業に多大な影響を与える状態になってしまったことは大問題ではないでしょうか。
私たちの暮らしは、そんなに軽いものではないはずです。「日本円を安心して持っていたい」と世界から思っていただける環境を、経済・政治の両面から、根本的につくらなくてはなりません。
◆国の信頼を失墜させる不祥事
にもかかわらず、永田町は今、一部の政治家たちの裏金と向き合わなくてはならない始末。私たちに立ち止まってる暇などないはずです。まっすぐに政治と向き合いたい身としては迷惑です。この瞬間に国会議員の一人である恥ずかしさと無常感。
政治も経済も為すべきを為して、次の時代をつくる覚悟を胸に挑んでまいります。
2023.12.16